私の好きなものを私の好きなように語る

抜けるような蒼空でした

 

 2021年1月、史上最大スケールの舞台 刀剣乱舞が始まりました。

会場は我らがIHIステージアラウンド東京。1300人を収容し、客席がぐるぐる回るアジア初の回転劇場です。

そして舞台 刀剣乱舞、通称刀ステは、2016年の初演から今年で5周年。今作の「天伝」は10作品目です。(刀ステの演目タイトルはすべて〇〇伝という)

刀剣乱舞というコンテンツがどういうものかは割愛するけど、基本的に歴史を題材とした物語であり、今回の舞台は大坂の陣。1~3月まで上演された「天伝」が大坂冬の陣で、4~6月まで上演されるのが「无伝(むでん)」大坂夏の陣です。これから、先日千穐楽を迎えた「舞台 刀剣乱舞 天伝 蒼空の兵 大坂冬の陣」の話を死ぬほどする。全然ネタバレもする。ディレイ配信見る前に書いた記事だから間違ってるところ多くてすまぬという気持ち。

(私は歴史について1mmも詳しくないという大前提のもとに読み流してください)

 

大坂の陣とは、簡単に言うと豊臣VS徳川。冬の陣では豊臣が勝つ(ちょっと違うかもだけど)けど、夏の陣では徳川が勝ち大坂城が落城して焼け落ちる。天伝は冬の陣のお話です。

今回の主人公は一期一振という刀。豊臣の刀であり、夏の陣で大坂城と共に焼けてしまう。そのせいで、豊臣の刀であった頃の記憶がない。

任務で大坂にやってきた一期一振たちは、豊臣秀頼と出会います。秀頼は豊臣秀吉の息子。一期一振豊臣秀吉の刀であり、豊臣秀頼の刀でもあった。刀は持ち主の影響を受けていることが多いので、言動とかしぐさとかが似るみたいなんだけど、秀頼は一期一振を見て「父上を思い出した」と言うんですね。秀頼が5歳のときに豊臣秀吉は亡くなっているからほとんど覚えていないはずなのに、なぜ一期一振を見て父を思い出したのか不思議に思った秀頼は、一期に聞きます。「お前は何者か」。

でも一期一振は、自分が刀だと明かすことはできない。そんな一期を秀頼は受け入れ、また聞きます。「父上はどんな人だったのか」一期はこの問いに…答えることができないんですね……。確かに自分は豊臣の刀で秀吉は元主のはずなのに、どうしても思い出せない。でも一期には、秀吉の声が残っているんです。「秀頼を頼む。秀頼を守ってやってくれ」と。だから一期は秀頼を守ろうとする。

秀頼も秀頼で、「自分とは何者なのか」という問いに苦しんでいる。生まれながらにして「天下人、豊臣秀吉の世継ぎ」と言われ、では自分は父上を抜きにしたら何者なのか、と。そして自分を守ろうとする一期にも、なぜ自分を守るのか聞いて自分が何者なのかの答えを求めるんだけど、「それが太閤殿下の望みだから」と言われ……。(いち兄、それ秀頼様の地雷~~~!!と心の中で叫んだ)

秀頼は一期にも先ほどとは別の意味で「お前は何者なのか」と尋ねるんですね。一期は「しいて言うなら兄ですね」と答えるんだけど、「じゃあ弟を抜きにした場合は?」と……。「私には記憶がほとんどない」と答えた一期に、「では弟たちが、お前を何者かにしてくれているのだな」と秀頼は言います。秀頼も、父が自分を「天下人の世継ぎ」という者にしているのだ、と……一期を自分と重ねているんだなと思う。

この二人が自分とは何者なのかという問いに苦しんでいるところは、見ていて私も苦しかった。秀頼が「お前も私も空っぽだ。何もない」って笑いながら一期に言うところも悲しすぎた。それを言われた一期は首を横に振って、「あなたは違う!あなたには思い出があるではありませんか!」て答えたところも辛かった。自分が空っぽなことは否定しないのね……。自分が何者かであるために誰かにすがっているのではないか、と二人は悩んでいたけど、太閤左文字という刀を始め、多くのことから学んでいき、すがっていると思っていたことも含めて自分自身であり、最後にはそれを否定することなく受け入れることができていて本当に良かったと思う。自分が何者なのか見つけることが出来た時の二人の顔は、蒼空のような笑顔だったと思います…。

 

一期と秀頼のシーンは本当にどこも良いけども、やっぱり一幕最後が胸熱でした。自分が何者であるか知るために戦に出ようとする秀頼を、全力で止めようとする一期…。一期の中にはただ秀頼を大切に思う秀吉の声が残っていて、でも秀頼は「お前を斬ってでも、私は戦に出なければならない!」と刀を抜き……。史実で大坂冬の陣は、秀頼は大坂城で籠城することで徳川軍を撤退させることができるので、歴史通りにするためには秀頼を戦に行かせてはいけない。でも一期はきっと「秀頼を守りたい」ただその一心だったんですよね……。。秀頼に刀を向けられた一期は、「あなたを……行かせるわけには……」と本当に苦しそうな今にも泣きそうな顔で、自分も刀に手を伸ばすんだけどその手はめちゃくちゃ震えていて……。。でも柄を掴んで抜刀した一期の手からはもう震えは消えていて、刀を持って秀頼と向き合ったときのお顔なんですよ!映画刀剣乱舞の時に、我らが神こと鈴木拡樹さんは「人間ではなく"刀"であることを意識した」的な話をしていたことをよく覚えているんですが、刀剣男士って人の形をして感情もあるんだけど、やっぱり「刀」なんですよ。物なんです。刀を抜いて秀頼に向き合う一期はまさしく「刀」で、覚悟を決めて一期は抜刀したんだろうけど、でもものすごく冷たい目をしていたなと思った。そんな一期を目の当たりにした秀頼の怯えたようなお顔も対照的で、人間と神様(人間でないもの)の違いをはっきりと感じた。今作、それを感じることが物凄く多くて切なかったなあ……。人間は弱いのね……。一期は圧倒的な強さで秀頼を追い込んでいくんだけど、、、、追い込んでいくのに、秀頼に背を向けると凄く辛そうな顔をするんだよね……もう私、辛そうな顔してぽろぽろ泣く一期が本田翼にしか見えなかった。自分でも何を言っているのかわからない。秀頼に刀を向けながら、「少しだけ昔を思い出しました」という一期。どうして自分がこんなに秀頼を守りたいと思うのか、それは昔自分が刀であった頃の大坂の陣で、秀頼を守ることができなかったからだ、と……。その気持ちと託された秀吉の願いがリンクしていたんだな、と私は思った。秀吉は刀であった頃の一期一振に、「秀頼を、豊臣を頼む。豊臣の守り刀よ」と願いを込めていた。その願いを受け取った一期を見た秀頼は、「お前を見ていると父上を思い出す…」と……。そして再度問うんです。「お前は何者だ。場を取り繕うだけの言葉はいらぬ」と。そこから……そこからなのよ………。私が見た回、一期はまず決意を固めたような顔で薄くフッと笑ってた。それを見た私もフッと逝った。そして秀頼の前に跪き、すべてを話すんです…………。自分が一期一振であること。大坂城が焼け落ちること。豊臣が負けること。自分はその歴史を守るためにここに来たこと…。ここほんと…、、ほんとなあ~~~音楽も相まってずるすぎるのよなあ~~~テーー↗レーー↗テ→レ↗レ→~って……(台無し)一期の「場を取り繕うだけの言葉はいらぬ、私は、その言葉にお答えしたまで!」はもうね~~泣くしかない。一期の膝をついた姿勢がまず天才的に美しい。一期一振は見た目や言動からロイヤルと呼ばれがちなのですが、ただのロイヤルだった。そしていろんな感情がごちゃまぜになった秀頼に、「豊臣は!負けるのか!!」と聞かれた一期が今にも崩れてしまいそうで辛くて見ていられなかった。物語通して、ここの一期一振が私は一番辛かった。秀頼の顔を見ることが出来ずに、下を向いて体を震わせながら「……はい!」と答えた一期……。その後、「私は、その歴史を守るためにここに来たのです」と今度は秀頼の目をしっかり見て話す一期。なにこれ美しい地獄?そして幕が閉じて「第二部へ続く」。なにこれ美しい地獄?初見のとき、どうにかなりそうだった。

 

その後、太閤左文字という豊臣・徳川ゆかりの刀のおかげで、秀頼と一期は、自分が何者なのか1つの答えを得ることが出来ます。ここの一期、とても綺麗な涙を流すんです……。その後の「一期一振……参る!」の言い方が日によって変わっていたんだけど、私は吹っ切れたような笑顔を少し見せてくれた時がすごく好きでした。でも千穐楽近くなって覚悟を決めた真顔になっていったんだけど、それもそれで良かった。

そして私が天伝で一番大好きな殺陣シーン、阿形という敵との一騎打ちになるわけなんですが……。ここの殺陣、本当に本当にかっこよくて何度でも見たい。殺陣の緩急がすさまじくて、一期一振という刀の戦い方がすべて詰まっていて、そして内面も一皮むけた一期の覚悟が見えて……「迷いで曇らせるわけにはいかないのです!!」の一期で私は泣いた。その後の「怨敵よ……死出のお覚悟を!!」の一期でも泣いた。結果ずっと泣いてる。かっっっこよすぎるんだァ……。敵の刀を刀で受け止めるとき自分の腕を添えていて、めちゃめちゃ力技という感じがして良い。でもそんなことしたら腕斬れちゃいそうだなあと思った。痛いのは嫌なので、私刀剣男士じゃなくてよかった。(?)

 

阿形役の安田桃太郎さんなんですが、3年前の冬、私が狂って通いに通った髑髏城の七人Season月に出演していたんです。Season月はダブルキャストなのに、なぜか桃さんだけシングルキャスト。全128公演……バグっていると思っていました……なんとなく勝手に思い入れがあって(?)、今回のぐるぐる刀ステに出演すると知った時は嬉しかった!(夏の陣に出ないことはちょっと悲しかったですが……神と戦うところみたかった。。)ドクロ以外でも何度か桃さんの殺陣は見ていたので楽しみでしかなかったし、本田礼生さんも鬼滅の刃の冨岡義勇の殺陣を見てから安心感しかなかった。そんな二人の殺陣、好きでしかなかった!!心、震えました!!(ところで先日本田礼生さんのラインライブを初めて見たんですけど、あんな明るいお喋りお兄さんだったんですね……役でしか見たことなかったので何も知らなかった……。「腰?もう全然大丈夫!!完治した!!」てあんな明るく言ってくれるんですか………良かった。。私のスマホをチラ見した母が「あら、可愛い子」と言っていて草。)

 

その後、阿形 VS 一期一振、鯰尾藤四郎、太閤左文字の殺陣もあるんだけどここもとても良くてですね……。鯰尾藤四郎は一期と同じ刀工で、いわゆる兄弟なのです。ナチュラルに鯰尾をかばって前に出るお兄ちゃん一期がとても良い。ここの殺陣も本当に早くてすごくて、特に千穐楽は役者がゾーンに入っている感じがした(偉そうなこと言ってしまってますが)。阿形を鯰尾と一期が抑えて動けなくした後、太閤が斬りかかるのめちゃくちゃ良い……良い……。

(ちなみにもう一人の敵、吽形役の杉山圭一さんはアオドクロに出演していた……。。見たのが遠い昔すぎたので見返します!!!!アオドクロはいいぞ!!)

 

私、天伝のビジュアルが出た時は圧倒的加州清光だと思っていたんです。あまりに顔がいい。そして動いて喋っている姿もあまりに解釈一致の優勝加州だった。原作のゲームでは加州に対して特別何か思ったことはないしレベルも1だったけど、天伝見た後レベルが90になっていた。ちょろすぎる……。それぐらい一回目見た時は加州に心奪われていたんだけど、気付いたら妖怪一期一振定点カメラ女になっていた。フシギダネ……ダネフシャ!

一期一振の好きなところを語る。

・まず最初の顕現セリフ直前、スクリーン前で待機していた一期が、スクリーンが開いて中に歩いていき前を向くんだけど、ここの前の向き方がフワッと優雅でとても好き。音楽とも合っていて天才。テテテーンのテーン!でフワッと前を向くの……。動きが綺麗すぎてスローモーションに見える……。ED、番傘を持ってのターンもすごくロイヤルですね………。。

・顕現セリフを言って、一振りずつ刀を抜いた後の「それでは、出陣いたしますか!」セリフ後のファンサ。一期一振、後ろを向く時とか体の確度を変えるタイミングで毎度首を少し傾けてニコッと笑ってロイヤルをまき散らしてくるので死人が出る。めちゃめちゃロイヤルまき散らしシーン多いんだけど、私はここが結構トップで好き。

・OPのダンスのキレが一人だけおかしい。もはや別の振り踊ってない?と真面目に思ってしまうレベル。姿勢が良すぎるのよ!!ご本人も意識していたみたいだけど、物凄く良かった!!

・OP、EDどちらも必ず山姥切国広、加州清光と目を合わせるところ。演者同士の役としての目くばせ、とても良い。

真田丸シーン。弥助たちと刀を向けあう一触即発シーンで、弥助が阿形と吽形のことを「アミーゴ、友達です」と言ったときに一期に刀を向けられている吽形がヘラヘラっと一期を見るんだけど、その時の一期の冷たすぎる目。吽形はしゃがんでるので一期は見下ろしているんだけど、そのせいでさらに冷たく見える。OPのロイヤルまき散らしマンと同一人物と思えない……さすが刀……。そして吽形のメンタルは強い。

・同じく真田丸シーン。なんやかんやあり弥助たちと共闘することになった一期は、弥助と目が合ったときニコっと笑うんだけど、目をそらした瞬間とんでもない冷たい真顔に戻るところ。お前、アミーゴなんて欠片も思ってないな………。

 ・二幕、太閤左文字と初めて出会う一期。太閤の尻尾にめちゃくちゃ興味を示してガン見していてかわいい。そして太閤と宗三が左文字同士わちゃわちゃしているときの手持無沙汰っぽい指の動きがかわいい。笑い方もかわいい。

・ソロ殺陣シーン。ここはもう好きでしかない。公演途中で腰を痛めてしまってソロ殺陣がなくなり、約一カ月後復活(アクロバットはなし)。そして千穐楽でアクロバット含め完全復活。全米が泣いた。私は天伝にハマるのが遅くてマジで好きになった時はソロ殺陣はすでに無かったので、無くなる前のソロ殺陣をほぼ覚えていなかったんだけど、一期のソロ殺陣が追加されたと聞き、最初に見た時は胸が熱くなった。そして千穐楽、アクロバットが追加されているのを見て何も知らなかった私は本当に本当に叫び出しそうになるのを必死で抑えました。かっこよすぎるよ本田パイセン……。。

・秀頼に「刀なら、他にもおります」と言って鯰尾に目配せしたとき。泣き笑っている……。。他にも兄弟への目配せとか仕草がすごく好きだった。

・太閤に「何言ってるの一期っち!」と言われたときの「え?」。めちゃ声高くて優しくて、オンナノコカッ!!!!!!と突っ込んだ。

大坂城に籠城することを決めた秀頼に対しての、嬉しそうな一期の微笑み……。。からの蒼空の下での「はい!」もめちゃくちゃ良かった。

・「自分が今どんな顔をしているのか、自分ではわからんのです」のときのお尻。うん、私たちオタクもいま一期がどんな顔をしているのかはわからないけど、とんでもなく美しいお尻なことはわかった。

ラッセラッセイ、いわゆる大回転殺陣の一期。敵に頬を斬られ、斬られたところに手を当てて「ハハッ……お覚悟!!」がとても好き。目が笑ってなさすぎた。その後、敵と一騎打ちするんだけど爆速で斬り倒した後、服についた血だか汚れだかを真顔でバッと払う仕草もセットで好き。これが彼らの本業なんだなと感じてしまう……。

・ラストシーン、最後のセリフを言って幕が閉じる前のロイヤルまき散らし。ふにゃっとした笑顔……。そしてEDもロイヤルまき散らしマンと化す一期。最後幕が閉じるまでロイヤルな笑みを絶やさない一期。

 

完全個人的な話ですが、私が刀剣乱舞のゲームを始めたきっかけは髑髏城の七人でした。神を好きになり、そして廣瀬智紀さんも好きになり、タイムリーに二人とも映画刀剣乱舞への出演が決まったので、私が始めるのはここしかない、と。確か私の初めて引いたレア太刀は一期一振だったんです。思い入れもあるし普通に好きだったので近侍にしてレベリングもしてた。そんな時に、初めて舞台 刀剣乱舞の初演、「虚伝」を見ました。2.5次元舞台というものをほぼ知らなかった私は、その中の一期一振が「布陣の偵察を、しかる後に、各個撃破としゃれこみますか!」と言ったのを見て、「ゲームと同じこと言ってる~~~~!!!!!!」とめちゃくちゃ感動したんですね…。。今回天伝で初めて生で一期一振を見て、初心を思い出した。私けっこう一期一振好きだったんだな、と……。。本田礼生さんの一期一振、とても良かったな!千穐楽カテコ、客席を見渡して笑顔で涙を浮かべる本田礼生さんがとても印象的でした。

 (………一期一振だけで7000字近く語ってて怖い)

 

ところで、天伝の核となるストーリーは上記の一期一振豊臣秀頼だろうなと思っているんだけど、他にもたくさんの物語があります。加州清光徳川家康、そして弥助と山姥切国広、真田信繁……。一期と秀頼は天伝のタイトルにもなっている通りメインのストーリーだと思うけど、他の物語もどれも魅力的で大好きでした。

 

加州清光。今まで刀ミュの方の印象が強かったけど、満を持して今回刀ステに初登場した初期刀……。初期刀とは、原作ゲームで最初に選べる5振りの刀のことです。ポケモンで言うヒトカゲゼニガメフシギダネ。ダネフシャ!ビジュアルが出た時、衝撃を受けた。ウツクシスギル。そして動いて喋っているところを生で見た時も、衝撃。ご本人じゃん。加州清光って私は結構かわいらしいイメージを持っていたんだけど、刀ステで見た加州はかわいいかつとてもかっこよかった。刀ステ本丸の加州、レベルめっちゃ高いね。。ボキャ貧すぎてめっちゃ良かったしか言えないんだけど、雰囲気が物凄く加州っぽくて違和感が全く無かった。すごい。以下加州の好きなところ。

真田丸での山姥切国広との「ネイルの色剥がれた~!」からの日替わりシーン。毎回二人のやり取りが違うので楽しみにしてました!まんばが加州に一番ネイルが剝がれなそうな縄を持たせてあげたり、逆に一番重たそうな丸太を持たせたり、まんばに何か言われた加州が嬉しそうだったり嫌そうだったり………。とても良い。

・秀頼に名前を聞かれた一期が焦って「えっと……」てなってる時の加州の「シー!」。これ全オタク死んだやつです。

・太閤左文字に「てるてる坊主!」と言われた山姥切国広との日替わりシーン。ここもまんばとの初期刀コンビでの日替わり。加州にからかわれるまんばがとてもかわいらしい……。このくだりのあと、道のお地蔵さんを見つめてる加州もセットでかわいい。そしてこの前のシーンの太閤への「きよきよ?つーかお前誰」も好き。この時、太閤が爪を加州に見せて「こいつ、、爪かわいいじゃん、、」て顔してる加州も好き。

・太閤左文字のミュージカルシーン。ここは上手下手センターとみるところが多すぎて目が足りないんですが、私はひたすら上手の加州と骨喰を見てました。下手のまんばと鯰尾もかわいいんだけども……!アンサンブルの人たちとわちゃっていてかわいい。アンサンブルの人からポンポンを渡されそうになって全力で逃げる骨喰もかわいいし、千穐楽のときちょっとだけ踊ってたまんばもかわいいし、逆にノリノリで踊る鯰尾もかわいいし、それを引き留めて笑いながらチョップするまんばもかわいいんだけど、、、!!やっぱりさりげなく一緒に踊ってかわいこぶる加州が優勝でした。最初はつい踊っちゃうのを骨喰に見られてちょっと恥ずかしそうにしてたのに、段々と「ほら!骨喰も!」みたいにノリノリになっていくのが可愛くて可愛くて…………。。

・というかまんばと二人のシーンはもれなく全部好き(総括)。真田丸で「ちょっと待った〜〜!」と突撃していく加州に「アッ…」て顔をするけどすぐに乗っかるまんばを見て、初期刀が阿吽の呼吸すぎるなあと……通じ合ってんのよ……。まんばに対しての「ん、何?」も「侮ってなんかないから」もとても好き。この二振りのシーン、とても大事に作られたんだろうなあて(うまく言えないんだけど)思ったんです……。。中の人たちの関係性も含めて、めちゃくちゃ良かった。

上着を脱いだ加州。それを舞台写真に入れてくれてありがとう。

 

そして何と言っても徳川家康とのシーンですね。私の中の天伝ナンバーワンセリフは加州の「生きてるってのはそれだけで立派な戦だ」です……これ、本当にそう。マジでそう。このセリフに全てが詰まってる。徳川家康も本当に良かったなあ……かっこよかったなあ……刀ステは歴史上人物キャストが毎回本当にとても良いのが魅力ですね……。。最後の加州と家康のシーンはいつもグッときてしまう、うまく言葉に表せないんだけど加州の魅力も家康の魅力も全て詰まってる……。。「じゃあね、たぬきおやじ」………。

太閤左文字徳川家康のシーンもとても好きでした。「素直じゃないんだから、権現様はっ!」のところで二人がわちゃわちゃきゃっきゃしてて微笑ましかった。私がみた回、多分太閤が家康の足踏んじゃったかなんかして家康が絶妙に痛がってて草生えた。草。太閤くんミュージカルの秀頼と家康も良いよなあ……動きがジワジワくるのよ……。。

 

そして大野治長真田信繁。このお二人もなあ〜〜本当に良かった。「デアエデアエ〜!!」「なんだ!?」「シタガエマセヌナァ!!」「ダマレェェェェイ!!」この辺りは私が真似したくなったセリフ。

冗談はさておき、、今回の物語は、弥助という信長に仕えていた異国の者がキーパーソンになるわけですが。弥助、現実に存在した人ってことを私はまず知らなかった(無知でした)。奴隷として売られたのを家臣として仕えさせてくれた信長の義に報いたいと、弥助は過去に戻って信長を本能寺の変から救いたいと考えます。でも、今自らが生きるのは大坂の陣の時代であり、信長は既に死んでいる。救うためには過去に戻るしかないけど、弥助は人間であり刀剣男士でも時間遡行軍でもないので、どうすることもできない。そこで、信長にゆかりのある刀から刀剣男士を顕現し、その刀剣男士に過去へ遡って信長を本能寺の変から救い出してもらおうとするのです……。山姥切はじめ刀剣男士たちはこの計画を、「歴史は歴史のままでなくてはならない」と否定します。刀剣男士たちは、どんなことがあっても、どんなに辛くても、歴史を守る。それが刀としての本能だから、と弥助と対峙した山姥切国広は言うんです。それを聞いた弥助は、「歴史だから、本能だから、そんな理由で歴史を守るあなたたちは歴史の奴隷だ!何も失ったことがないからそんなことが言えるのだ」と返します。でも山姥切は、「生きる人々に辛い歴史を強いておきながら、自分たちだけ何も失いたくないなど思っていない。たとえ失っても、前を向いて歩いていく。本丸の皆がそうなんだ」と………。これを言われた弥助は、「お前は強い。私はそのように強くはなれなかった…」と言うんですよ………。辛すぎる………。刀剣男士たちが辛い運命を背負っていることはわかる。自分の元主が死ぬ歴史だとしても、自分はそれを守らなくてはいけない。「もし今こうしたら、元主を救うことができるかも…。」そう思うこともあるんだと思う。でもそれをしてしまったら、本来の歴史では死なない人が死んでしまったり、起こらないことが起きてしまったり、未来が変わってしまう。歴史を守るたびにそういう葛藤をしながらも、少しずつ前を向いて進んでいくのが「舞台 刀剣乱舞」という物語なんだと思う。でもそれはあくまで刀剣男士側の話で、人間側にも物語がある。(刀ステ全体の物語については、もう伏線やらなんやらがすごくて私には到底理解できてないので、天伝のことだけ語ります。)

刀ステって、刀剣乱舞というコンテンツが抱えている黒くて暗い部分をあえて前面に出しているなと私は思っているんだけど、今回の天伝もまさにそうでした。特に人間側の感情がそうだと思う。本来、刀剣男士たちの戦いは表舞台で行われるものではない。自分たちが未来から来たとか、刀であるとか、そういうことを過去の時代の人に知られてしまったら未来が変わっちゃうかもしれない。だけど、今回の天伝では真田信繁(幸村)が、自分の未来を知ってしまうんです。大坂冬の陣では生き延びるけど、夏の陣で信繁や秀頼は徳川兵に追い詰められて自害してしまうと……。信繁は生きるために歴史に抗うんだけど、でもやっぱり人間の身ではどうすることもできないと……。生きることを望んでいた信繁が結局自害を選んでしまうことも皮肉だし、「こんなことなら、先に起こることなど知りたくはなかった…」と嘆くのが本当にね………。刀ステ、最新作になればなるほど人間側が刀剣男士という存在を認知したり、未来を知ってしまうことが多くなってきたのが本当に恐ろしいのよ……。天伝の「天」という字は、「人」に二重線を引いてるっていうのを知って怖い。次回作の无伝の「无」は人ならざるものの「天」がさらに変形した形って……エッ怖い。

刀剣男士たちは強いんだけど、でもそれって人間じゃないからなわけで、、うまく言えないが、、歴史ってその時代に生きる人が精一杯生きた証であって、それをやり直すとか未来を知るとか、そういうことはやっぱりあってはならないし、その時代に生きる者ではない存在が干渉しちゃいけないんだよなあ……。

これから先、刀ステは一体どうなるんでしょう。楽しみでもあり怖くもあるけど、でもやっぱり楽しみだな!

 

(天伝、歴史好きの父親を引き連れて観に行った回もあるんですが、秀頼の「それではお前を藤吉郎と呼ぼう」ってセリフで「藤吉郎ww」て笑ってて、歴史好きの笑いどころはわかんねえと思った!前日に綺伝を見てくれたんだけど、「殺陣すごいね。やっぱり生はいいね」と言ってました!後見たあと気になって加州清光について調べたらしい。それと「刀はあんなに斬ったら刃こぼれしてすぐにつかいものにならなくなる」とぶつくさ言ってた。おじいちゃん(父の父)が日本刀オタクだったらしいです。でも面白かったと言ってて私も嬉しかったです。)

それと今更だけど、真剣必殺した時ってみんなちゃんと刀の鞘を持っていないのね!鞘を持たないって刀を戻さない、つまりこの戦いに全てをかけるって意味があるらしいのでエモくなった。この知識はどくろじょーで得た。やっぱり私の根っこはどくろじょー。。

 

ひとまずもうすぐ无伝が始まるので全力で豊洲でぐるぐるするのと、天伝のディレイ配信を見まくろうと思う!!楽しい!やっぱりステアラ通いは楽しい!!刀剣乱舞楽しい!!演劇ありがとう!!!!!